帰ってきた酔っぱらい
こんにちは。
昨日は家人の人と近所の居酒屋に夕ご飯を食べに行きました。
昔さんざん呑み散らかした店ですが、人付き合いも面倒じゃなく、安くてご飯も美味しいし、アディニャムが酒をやめた後も、詮索もしないし執拗に酒を勧めてくる人もいないという非常に優れたお店なんですねえ。
そんなお店に一人問題児がいまして。
小さな町で「あいつとは関わらない方がいい」「飲まなきゃあいい奴なんだけど、酒がな……」とみんなに言われている酔っぱらいです。まあ、完全に依存症の人です。
酔っ払って空気が読めず、誰彼構わず話しかけ迷惑がられ、やがて店のカウンターで必ず寝込み、本来ならお金を落としてくれるはずのお客さんがそのせいでお店に入れなくなってしまうこともしばしば、というかほぼ毎日。色々な店を追い出され、小さな町で出入り出来る店はもう数軒、というところまで追い込まれています。
そんな彼が以前、その居酒屋で会合を催すというので一度だけ顔を出そうとしたことがあります。地元の友人を誘い、時間を調整し、スケジュールを空け、当日お店に行き他の参加者と主催者である本人を待ちましたが、結局現れずじまい。
後で聞いたら昼から飲んじゃって家で寝てたんだそうですね。
謝罪の一つもあればまだ許せたんですけど、それもなし。そのことで疎遠になると「お前らが変なことを吹き込んだんだろ!」とお店の人に食ってかかったんだそうです。その後お店の人に出禁を喰らって姿を見なくなりました。
そして、久しぶりに行ったそのお店に、なんとなんと!
その酔っぱらいが現れたのです。
出禁が解けたのでしょうか??
ベロベロに酔っ払って店に現れ、カウンターで他のお客さんに絡みその人達は退散し、結局またお店で寝込み、後からやってきた客がそのせいで店に入れず、お店の人に注意されると逆ギレし……
痩せたし顔色もどす黒い。体調もよくないでしょう。
みんなに嫌われ、居場所もない。
最近では酒のせいで頼まれた仕事も忘れたりしているようです。
自分を囲む状況がどんどん悪化し、大切なモノを失えば失うほど、酒以外に頼るモノはなくなり、止めづらくなっていく。
冷静に考えれば、まずは酒を止めるべきなのは自明の理なんですけどね。そんな当然のことすら見えなくなってしまっている。そして脳の発する凄まじい飲酒欲求に耐えきれず飲んじゃう。ホント恐ろしい病気だと思います。
飲み続けていたら、自分もこうなっていたのだろう。そう思うと本当に恐ろしいです。自分はそうなる前に酒を止めてよかったって心底思います。自分の飲酒が人生の障害になっているなら、傷が浅いうちにさっさとやめた方がいい。
アディニャムと家人の人も、さっさと店を出て、家に帰りました。何を言っても翌日覚えていないだろうし、冷たいですけど、手を差し伸べてその人に関わっていくほどの覚悟も愛情も、アディニャムは持ち合わせていないからです。
それでも、それでもなあ……
なんとかなんないのかなあ、って思うんですけどね……
酒は怖い。